ヘッジファンドの運用戦略によるセクター分類
アービトラージ、リラティブ・バリュー、株式ロング・ショート
特徴:裁定取引系
個別株対個別株、株式現物対株式先物、債券対株式、複数通貨間など様々なペアーにおいて、割安な方を買い(ロング)割高な方を売る(ショート)することでさやを抜く技法です。分類上は最も多くのファンドがこのセクターに属します。
CTA、マネージド・フューチャーズ
特徴:トレンド追随系
市場のトレンドを見極め、その流れに乗りながら大きな利益を目指す技法です。トレンドに乗るのは主として先物を使用します。時としてレバレッジの効果も狙うため、ハイリスク・ハイリターンのファンドも見られます。単にヘッジファンドと言えばこの戦略を意味していることがあります。
イベント・ドリブン
特徴:
個別企業に注目
企業が合併、提携、買収、事業切り離し、倒産といった“イベント”を引き起こすと予想して予めポジションを取り、実際にそれらが起こった時の株価の動きでそのポジションを解消して利益を確定する戦略です。高度な財務分析力と事業戦略の深い理解が求められます。
マクロ
特徴:
森を見る系
マクロ経済の各種統計を利用したトップダウン型の運用を行う戦略です。各種経済指標と各金融市場の相関性等を分析して市場方向性を予測し、それに応じたポジションを取ります。一般的に予測が当たると大きな利益を獲得しますが、逆に予測が外れると大きな損失を被る、ハイリスク・ハイリターン型の戦略です。
ディストレスト債
特徴:
高負債企業に注目
破たん寸前に陥った企業や、財務内容が悪化した企業の発行する債券を割安な価格で予め購入し、その企業の信用力が回復する過程で価値が上昇した当該債券を売り抜く戦略。他のヘッジファンド戦略と比べて投下資本の回収期間が長いとされている。
フィクスト・インカム
特徴:
債券で運用
債券先物を中心に運用する戦略です。CTA的なものや裁定取引的なものも含まれます。
マルチ・ストラテジー
特徴:
複合戦略系
各種戦略の組み合わせで運用する戦略です。市場環境で柔軟に取捨選択したり濃淡をつける総合型戦略。他に適当な分類セクターが見当たらない時にここに分類されるケースも多いです。