なぜ富裕層はヘッジファンドに投資するのか?(2)
これまでの分散投資の考え方を見直さないといけない
資産運用の考え方の基本は分散投資です。その代表例としてこれまでよく簡易的に使われてきたものが「資産三分法」です。これは投資対象(資産クラスとも言います)を株式・債券・不動産と3つに分類して分散投資をすることで、リスク軽減を狙う考え方です。
しかしながら昨今、債券の利回り低下や不動産価格の高騰により期待した運用益が得られないとともに、市場環境の変動時にはなすすべも無くすべての資産が下落を被ってしまうという現象が起こっています。これを専門用語で「市場リスク(システマティックリスク)」と言います。
従来型の分散投資では、市場リスク(システマティックリスク)に対応できない
上記グラフは、国内(日本)、海外先進国、海外新興国それぞれの、株式、債券、不動産(REIT)、8資産均等投資の、それぞれの資産クラス(投資対象グループ)が、その年に何%上昇したか、または下落したかを示したものです。
2008年のリーマンショック時にはほとんどの資産が下落し、新興国株式に至っては62%下落しました。リーマンショック後は特に各資産クラスの連動性が高まり、つまり下落する時はすべての資産が下落してしまいました。これが市場リスクです。
リーマンショックを境に、このような現象が多くみられ、分散投資の意義が薄れてきているのではないかと言われてきました。